2012年12月16日日曜日

Why Vietnam's E-Commerce doens't prosper?

なぜベトナムのEコマースは発展していないのか?

ベトナムEコマース(電子商取引)は本格的に2007年度から始まったといえる.2007年7月にVat Giaベトナム株式会社がVatgia.comという大型のEコマースサイトをリリースした.「Vatgia.com」のモデルは日本の価格ドットコム(kakaku.com)である.設立者は日本へ留学した人だといわれている.現在2012年にいたってVatgiaのウェブサイトはベトナム最大のEコマースサイトとなっている.毎月1億のページビュー(100,000,000 pageviews)に達している.
ベトナムのインターネット利用者数も急激に増加し,3200万人の役人口3分の1に維持されている.ADSL回線が手ごろな価格に下がり,学生まで簡単に使えるようになっており,3Gのインターネットも普及している.つまり,ほとんどの人はインターネットを利用できるように環境が整ってきた.
5,6年間前から(Vatgia.comが登場してから)ベトナムEコマースは規模的にも金額的にも爆発するような速度で発展すると期待されていた.イメージとしては日本の2002年度からのEコマースブームといえよう.しかし,現在2012年度の時点ではベトナムEコマースはそれほど発展しておらず,ユーザーからの信頼も得られていないのが現状である.
その理由は何であろう?
以下に解明しよう.

ベトナムECサイト
クーポン・グルーポンECサイトはベトナムECをリードしている
(イメージ:MuaChung.vnサイトから)

ベトナムECに関する情報

ベトナム最大ECサイト ベトナムエコノミア
ベトナム主要なクーポン・グルーポンサイト ベトナムエコノミア
ベトナムオンライン決済手段 ベトナムエコノミア
Ngan Luongシステムによるオンライン決済 エコノミアブログ
電話プリペイドカードによるオンライン決済 エコノミアブログ
ベトナムインターネット利用者数 Saigon Aroma

Vatgia.comの設立と発展

ウェブサイトの名前「Vật giá」(漢字:物価)は「物価」という意味で,つまり「価格ドットコム kakaku.com」のモデルを真似るだけでなくその名前の「価格」も取ったわけである.現在はIDGから資金を受けている.Vatgia.comの経歴は以下である.(情報源:Wikipedia
=引用=
  • 2006年8月にVat Giaベトナム株式会社が設立
  • 2007年7月からVatgia.comウェブサイトが稼動開始
  • 2008年4月からIDGベンチャーファンドから資金を受け始めた
  • 2009年:モバイル向けサイトと恩らい決済のBao Kimシステムを開始.
  • 2010年:小売サイトNhanh.vnとCucre.vnを稼動開始.Bao Kim決済システムをVatgia.comに導入.
  • 2011年:トラベルサイトMytour.vn,写真印刷Myphoto.vnと広告サービスVatgia Adを開始.
=引用はこれまで=

Vat Gia社は常に3000軒以上の保証店舗(Vat Giaがその取引に関するトラブルを保証する)を誇りがちだが,サイトを支えられるほどの売り上げがないと考えられる.つまり,IDGベンチャーからの資金なしでは赤字状態になると考えられる.

日本におけるEコマース

価格ドットコム,楽天,アマゾンなど日本のEコマースは以下の特徴を持っている,
  • 品質が広告どおりになっており,基本的に偽物,品質が悪い商品がない
  • 佐川,クロネコ,郵便局などによる流通手段の完備
  • 返品,返金の対応
  • Eコマース法律は消費者の権利を守る
  • オンライン決済は簡単:クレジットカード,銀行振り込み,または代引き可能
それで消費者が安心してオンラインショッピングできるわけである.

ベトナムEコマースの問題点

品物の品質,偽物の問題
ベトナムにはまだ安心できるメーカーがまだあまり存在しない.中国からの偽物,品質が悪いものが市場にあふれている.したがって,良い品質のものは少ない.たとえば,極端的な価格でiPhoneを買うと実は中国製の偽物が手に届く.オンラインショッピング,特に個人売買(クラシファイド広告)に詐欺が多い.
また,オンラインショップはほとんど返品を対応しない.オンラインショッピングで買ったものは保証されないため,広告どおりに品質が劣ってもなかなか返品できない.したがって,消費者はオンラインショッピングに対する信頼を持っていない.

流通システム
ベトナムでは郵便局の配達はあまり期待しないほうが良い.オンラインショップは普通バイクで配達する.ただ,渋滞がひどいベトナムの都市では,指定した時間に届く確率がかなり低い.

決済方法
代引きはいいものの,オンライン決済は簡単にできるわけではない.銀行振り込みなどはできるが,ベトナムのATMではお金を預けられず,必ずカウンターで口座に納金するしかない.つまり,どうしても銀行へ行く必要がある.しかし,銀行の引き出し(口座の金額が減っても現金が出ない)にもトラブルが多く,ほとんどの場合,銀行側は責任を負わなかったから,ベトナム消費者から信頼されなくなっている.
電話プリペイドカードで簡単に決済できるが,手数料は購入者が払う.その手数料は納金金額の20%ときわめて高い.

Eコマースに関する法律
ベトナムEコマースの一番問題点はその法律といえよう.詳しい法律がないため,詐欺・トラブルが起きたとき消費者の権利は守られない.また,過去にお店と顧客との訴訟,また銀行と顧客の訴訟があったが,勝訴したのはお店と銀行ばかりである.
よって,トラブル,紛争があったとき,ほとんどの消費者は我慢して二度と当該店舗から買わないする程度で自分の権利を守る方法しかない.
つまり,
  • 良い商品が少ない
  • オンラインショップの返品対応,商品保証が悪い
  • 法律は消費者の権利を守らない
という原因で,ベトナム消費者のEコマースに対する情熱があせてきた.

ベトナムのECサイトの現状

ショッピングモール型Vatgia.comにはオンライン店舗と個人広告(クラシファイド)がある.つまりB2CとC2Cである.C2C(クラシファイド)は監視する者がいないため,詐欺が圧倒的に多い.たとえば,iPhoneを買ったら届いたのは中国製の偽物.または,商品の半額を送金しても商品が届かない.そういう場合警察に通報してもなかなかお金が戻ってこないため,解決を期待しにくい.
B2C(オンラインショップ)はまだ価格のメリットになっていない.なぜなら,流通(Logistics)と決済はまだ発達していないからである.返品対応,品質保証にも問題があり,また顧客のアクセスを集めるため在庫のない商品を載せてしまう傾向から信頼度が低い.

フォーラム型ECサイトの5giay.vnではクラシファイド広告はにぎやかである.サイトの収入はショップ貸し出し,広告,クラシファイド(個人売買)ユーザーによるお支払いからなる.クラシファイドユーザーは無料で広告を出せるが,上位にするならSMSメッセージでお支払いする.個人売買(クラシファイドのC2C)ではリードしているサイトといえる.

クーポンサイト・グルーポンサイト
NhomMua.com,Muachung.vnなどのサイトはクーポンサイトであり,ベトナムECサイトには一番利益が出るECサイトだと考えられる.なぜなら,取り扱っている商品はレストラン,ホテル,トラベル会社,お店などのサービスであり,そのサービスを提供するレストランなどは将来のビジネスのため品質を守らなければならない.また,顧客はクーポン・グルーポンサイトへ評価できる仕組みになっており,サイトの運営者はある程度サービスの品質を管理できる.
つまり,
  • 良い商品
  • 品質の管理・保証あり
というのは購入者に安心をもたらしている.

ベトナムEコマースを発展させるため

ベトナムのEコマースを発展させるためには,
  • 良い商品の生産,
  • 細かい法律で消費者の権利を守ることや
  • 流通,決済手段の改善で価格的に実店舗と競争的な価格にすること
が不可欠であろう.

(C) Vietnam Economia

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